営業の悩み:お客様の話を深く聞けない
「お客様の話を、もっと深く聞かなければ…」そう頭では分かっているのに、気づけば自分が一方的に話してしまっている。沈黙が怖くて、つい余計なことを喋ってしまった後の自己嫌悪。これは多くの営業担当者が抱える根深い悩みです。
お客様の懐に一歩踏み込めず、表面的な会話だけで終わってしまう。これでは安定した売上や受注に繋がるはずがありません。
「聞かなきゃ」と焦るほど、口が勝手に喋り出す
お客様が課題について話し始めた瞬間、頭の中でサイレンが鳴り響きます。「ここが深掘りする絶好のチャンス!」しかし、その瞬間、別の思考があなたの脳を支配します。
焦りの声
「何か気の利いた質問をしなきゃ…」
不安の声
「デキる営業だと思われないと…」
恐怖の声
「お客様を退屈させちゃいけない…」
結局、お客様が話し終わるか終わらないかのタイミングで、食い気味に「ああ、それ、すごくよくわかります!でしたら、弊社のこのサービスが…」と言ってしまうのです。
深掘りできない根本原因は「自信のなさ」
数多くの営業組織を支援してきた中で、お客様の話を深掘りできる人とそうでない人の違いは、突き詰めると一つの言葉に集約されます。それは「自信」です。
1
自信がない状態
「何かしなければ」「何か価値を提供しなければ」という強迫観念
2
不安による行動
最も手っ取り早い「何か」=「自分が話すこと」を選択
3
悪循環の完成
一方的なおしゃべりマシーンへと変化してしまう
お客様の話をじっと聞き続ける行為は、自信がない人にとって「何もしていない」のと同じように感じられ、耐え難い不安をかき立てるのです。
今日からできる3つの変革で「聞く営業」へ
自信がつくのを待っていたら、いつまで経っても深掘りはできません。自信がない「今」だからこそ、意識的に取り入れるべき思考法と技術があります。
01
「貢献」の定義を書き換える
「お客様のことを誰よりも深く理解しようと努める姿勢」そのものが最大の価値提供です。
02
「完璧な質問」の呪縛から解放
シンプルで多少不格好でも、素早く素直に問いかける方が何倍も価値があります。
03
「5秒の言葉」と「枕詞」を活用
「それは、なぜなんでしょうか?」「もう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか?」
まずは手帳に「お守りの一言」を書き出すことから始めましょう。その瞬間、商談の空気は変わり、お客様はあなたを本当の意味でのパートナーとして認識し始めるはずです。